ハモを漁獲すべき理由とは?生態・資源管理と瀬戸内漁業の関係
ハモは、ただ多く獲ればよい魚ではありません。生態や資源の状態を把握し、小型魚の保護や適切な漁期を意識しながら漁獲・利用することで、瀬戸内の漁業、加工技術、食文化を次世代へつなげられる重要な水産資源です。
本記事では、愛媛・今治で海産物加工卸を行う森海産物が、ハモの生態と「なぜハモを漁獲し、食材として生かすのか」をわかりやすく解説します。

この記事でわかること
- ハモは夜行性の肉食魚で、砂泥質の海底付近に生息すること
- 適切な漁獲が、地域漁業・加工技術・食文化を支えること
- 小型魚の再放流やサイズ基準など、資源管理との両立が欠かせないこと
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1. ハモとはどのような魚か
ハモ(鱧)は、ウナギ目ハモ科に属する細長い魚で、学名はMuraenesox cinereusです。日本では福島県以南の沿岸や東シナ海などに分布し、瀬戸内海では古くから重要な食用魚として扱われてきました。
体は円筒形で、口が大きく、鋭く強い歯を持っています。砂や泥の多い海底付近に暮らし、延縄や底びき網などで漁獲されます。生命力が強く、活魚での流通に向いていることも、遠方の消費地へ届けられてきた理由の一つです。
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2. ハモの生態と一生
海底付近で暮らす夜行性の肉食魚
ハモは主に水深100メートル程度までの砂泥底に生息し、夜になると活発に動きます。魚類、エビやカニなどの甲殻類、イカ・タコ類を食べる肉食魚です。成長すると全長が1メートルを超え、大きな個体では2メートル前後になることもあります。
春から夏に産卵期を迎える
瀬戸内海周辺のハモは、春から夏にかけて産卵期を迎えると考えられています。卵からふ化した仔魚は、ウナギやアナゴと同じく、透明で木の葉のような「レプトケファルス幼生」の姿で海中を漂います。その後、変態しながら細長い成魚の姿へ成長します。
ハモの分布や産卵場、回遊経路には地域差があるため、漁場ごとの調査を重ねることが大切です。水産研究・教育機構では、瀬戸内海東部を対象に、漁獲量、漁獲努力量当たりの漁獲量、魚体サイズなどの情報収集が進められています。
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3. ハモを適切に漁獲・利用する理由
地域の漁業と雇用を支える
ハモの流通には、漁業者だけでなく、漁協、市場、仲買、加工場、運送事業者、食品商社、飲食店、小売店など、多くの仕事が関わっています。地域によっては小型底びき網漁業の主要な漁獲物であり、沿岸漁業を継続するうえで大切な収入源です。
骨切りをはじめとする加工技術を受け継ぐ
ハモには非常に細かな骨があるため、皮を切らずに身と骨へ細かく包丁を入れる「骨切り」が欠かせません。漁獲されたハモを食材として利用することは、この専門的な加工技術を次世代へ継承することにもつながります。
地域の食文化を守る
湯引き、天ぷら、鍋、照り焼き、寿司など、ハモは多彩な料理に使われます。関西の夏料理として有名ですが、その原料を供給してきた産地の一つが瀬戸内海です。漁獲から加工、料理までのつながりを維持することは、地域を越えて育まれてきた食文化を守ることでもあります。
一尾の価値を加工によって高められる
骨切り済みの切り身だけでなく、ハモフライ、ハモカツなどに加工することで、料亭や割烹以外にも、給食、惣菜、弁当、小売などへ活用の幅を広げられます。鮮度管理と加工を工夫し、一尾を無駄なく生かすことが、漁業収入の安定と食品ロスの抑制につながります。
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4. 漁獲と生態系の関係
ハモは魚類や甲殻類などを食べる捕食者であり、海の食物網を構成する生物の一つです。ただし、「ハモを獲れば海の生態系がよくなる」と単純に言うことはできません。
ハモを漁獲・利用する主な意義は、地域の水産資源を食料として生かし、漁業と食文化を持続させることにあります。生態系を守るために必要なのは、獲るか獲らないかの二択ではなく、資源量や産卵、成長段階を見ながら漁獲の仕方を調整することです。
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5. 資源を守りながら漁獲する方法
持続的な漁業には、漁獲量だけでなく、魚体サイズ、漁期、漁具、漁場などを組み合わせた管理が必要です。水産庁も、魚種ごとの産卵場、分布域、回遊経路や漁業実態を踏まえ、必要に応じて漁期・漁具・体長などを管理する考え方を示しています。
- 小型魚を再放流する:成長前の個体を守り、将来の産卵と漁獲につなげます。
- サイズ基準を設ける:一定の大きさを満たす個体だけを出荷します。
- 漁獲記録を残す:時期、場所、漁獲量、魚体サイズを記録し、資源変動の把握に役立てます。
- 鮮度と品質を高める:一尾当たりの価値を高め、漁獲量だけに依存しない収益を目指します。
- 地域ごとのルールを守る:漁場の実態に合った資源管理協定や自主的な取り組みを継続します。
実際に瀬戸内海の一部地域では、基準に満たない小型のハモを再放流し、資源管理と魚価向上の両立を目指す取り組みが行われています。
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6. ハモを無駄なく生かす加工と料理
| 加工・料理 | 特徴 | 主な活用先 |
|---|---|---|
| 骨切り済み切り身 | 湯引き、天ぷら、鍋など幅広く使える | 料亭・割烹・寿司店 |
| ハモフライ | 調理工程を短縮しやすく、淡白な身を楽しめる | 給食・惣菜・外食 |
| ハモカツ | 厚みと食べ応えを出しやすい | 弁当・定食・小売 |
| アラ・骨 | だしとして活用できる | 吸い物・鍋・スープ |
森海産物では、瀬戸内産ハモの骨切りや業務用加工に対応しています。食品商社・料亭・寿司店・割烹・給食センター・小売店・OEM事業者様の用途に合わせ、規格や加工方法をご相談いただけます。
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7. ハモの生態と漁獲に関するよくある質問
Q. ハモはどこに生息していますか?
日本では福島県以南の沿岸や東シナ海などに分布し、主に砂泥質の海底付近に生息します。瀬戸内海も重要な生息・漁獲海域です。
Q. ハモは何を食べていますか?
小魚、エビやカニなどの甲殻類、イカ・タコ類などを食べます。夜間に活発に行動する肉食魚です。
Q. ハモを漁獲すると生態系保全になりますか?
漁獲そのものが生態系保全になるとは限りません。漁獲の意義は、水産資源を食料として活用し、地域漁業や食文化を維持することです。生態系と資源を守るには、科学的な情報と地域の実態に基づいた管理が必要です。
Q. ハモを持続的に利用するために必要なことは何ですか?
小型魚の保護、サイズ基準、漁獲記録、適切な漁期・漁具の設定、鮮度向上による高付加価値化などを組み合わせることが重要です。
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参考資料
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